ゆっくりとした夜(5月30日)
思えば、私はこの日まで毎日、宿が変わっていました。
移動のたびに重たいスーツケースを持ち歩き、それだけで疲れてしまうのは言うまでもありません。
しかし、この日は誰と一緒にいるわけでもなく、久々に自分一人の夜を過ごすことができるので、ここが疲れを取る最大のチャンスだと思いました。
私はリヨン市内観光を存分に楽しんだあと、駅でパンを3種類とエスプレッソを買って、7時過ぎにホテルに戻りました。
私にとって、この夜は貴重なものになりました。
何しろ、日本人の私がヨーロッパ流の生活をしてきたので、一度自分をリセットしておきたかったのです。
あまりに違う環境にいると自分がわからなくなり、そのことがうつ病を誘発することがあります。
それでは、旅を満喫し続けるには、どうしたらいいのか?
それは、どんな場所でも、必ず元の自分に戻ることです。
それが私にとってYouTube放浪であったり、読書であったりします。
異文化での疲れを取るには、元から慣れ親しんだことをするのが一番です。
この手のカルチャーショックをひたすら耐えて、現地の世界に浸るという人もいて、それはそれでいいことだと思います。
但し、私は自分の精神衛生管理上、疲れをその都度、取っておいたほうがいいように思ったのです。
せめて自分ひとりの時くらい自分の文化に戻り、骨休めをしてもいいかな、と。
この日は11時にはベッドに入り、ぐっすり寝ました。