そして感傷に浸る(6月6日)
この日、私には実はまだ少し、余力があったのかもしれません。
再び市街地を散策できたかもしれない。
しかし、私の心は燃え尽きていました。
およそ2週間かけて、彼や友達に会い、憧れのバルセロナを堪能し、全ての日程を成し遂げたという達成感のようなものがありました。
それと同時に、道に迷ったりスーツケースがなくなったりとトラブルも多かったわけですが、それらを誰の力も借りずに解決してきました。
日本語の通じない異文化にいると、それは心細いものです。
その中で、私は全てに打ち勝ってきたという強い思いがありました。
そして、あらゆる災難があったにも関わらず、ヨーロッパを離れたくないという、強い気持ちに襲われました。
私は、特にフランス人とは気が合うのです。
日本では「はっきりモノを言うから怖い」「わがまま」と言われることが昔からありましたが、ここでは私が普通でいられました。
喧嘩が必要な時にはしたし、何一つためらうことなく表現し、現地では沢山の人間関係に恵まれました。
そうしたら、やっぱり日本に戻りたくないっていう気持ちになるわけです。
こうして、帰国前夜はとてもつらいものになりました。
しかし、夜には彼と電話で話をし、自分がいかにナーバスになっているかを話して、少し落ち着きました。
何はともあれ、翌日には出発しなければならない!
そう気持ちを新たにし、ベッドに入りました。