パリ症候群
環境や生活の急激な変化により、その変化に適応することが困難になり、精神疾患の症状を発症する「適応障害」。
その中に「パリ症候群」というものがあります。
これは、パリ在住の精神科医、太田博昭氏によって名づけられた適応障害の一種で、ファッションや芸術の最先端都市であるパリに憧れて旅行、或いは移住する人たちが現地でカルチャーショックを受け、現地の文化や習慣を受け入れることができずに鬱状態などを発症というものです。
つまり、理想化したパリばかりが頭の中で膨らんでしまったので、現実のパリの姿との間にギャップが生じ、そのギャップが埋められなくなってしまった為に起こる精神疾患です。
私たちは、外国に行く時、必ずその国を理想化します。
外国は景色がよく、みんなお洒落で、何もかも日本より優れているという錯覚です。
しかし実際には、慣れない異国では文化の違いで現地の人たちとうまくかみ合わずに苦労したり、意外に汚い面、期待外れなことが多いのです。
そうすると、折角の楽しい旅も楽しめないどころか、重い精神的病により、帰国後に通院生活をすることになってしまいます。
ですから、海外に行く時にまず大切なのは「あまり大きな期待をしない」ことです。
憧れの地に行って思っていたほどでもなかった、という気持ちになるより、はじめから「期待通りのはずがない」と思っているくらいのほうが、旅が楽しめるようになると思います。